革の種類についてよく訊ねられるので、牛ヌメ革の仕入れで例えて書いてみようかなと。
革を作る材料や工程はまた別の機会に。
今回よく出てくる単語が問屋・タンナー・鞣し・原皮です。
問屋は分かると思いますがタンナーとは「皮から革へと変える工場」と思ってください。
鞣し(なめし)とは「皮から革にする工程」の総称と思ってください。
原皮とは今回は「牛の原産国」と思ってください。
それでは最初の写真です。
4枚とも生成りの色で頼んだヌメ革ですが、最初に分かるのがそれぞれ色味が違います。
そしてこの4枚の各々の違いはまず革問屋さんです。他の違いを番号順に箇条書きします。
1. 原皮は北米・鞣しは米国
2. 原皮は北米・鞣しは日本
3. 原皮は国産・鞣しは日本
4. 原皮はバングラデシュ・鞣しはバングラデシュか日本か忘れました。(今は取り扱ってないです)
それでは次の写真に移ります。
上の写真も生成りのヌメ革で3枚とも同じ問屋さんですが原産国が違います。
5. 原皮は仏国・鞣しは仏国
6. 原皮は国産・鞣しは日本
7. 原皮は豪州・鞣しは日本
もちろん仕入れ単価もそれぞれです。
順番は4<3<7<6<2<1<5
ちなみに4番と5番の価格差は約3倍です。
写真は7種類ですが自分の手元にあるヌメ革だけでも10種類以上あります。
同じ問屋さんでも何種類ものヌメ革があり、それぞれタンナーさんが違ったりします。
そして価格差も数倍って大きな開きもあります。
一つのタンナーさんでレシピや鞣し方を変えながら数十種類のヌメ革を作る事もあり、仕上げは別のタンナーさんだったり。
また問屋さんオリジナルの革もあれば、ブランドが直接タンナーさんに頼むオリジナルの革もあります。
問屋さんとタンナーさんの数を把握していませんが、国内だけでもそれぞれ数百件以上あり世界では数万件に達します。
タンナーさんがそれだけあるって事は鞣し方も様々です。
ヌメ革だけでもどれぐらいの種類があるかなんて分かりません。
原皮にはランク付けされてますがピンからキリまであるので、一概に何処が何処より優れている劣っているとかは決定付けはできません。
今回は牛ヌメ革の仕入れでの話しですが鞣し方もたくさんあり仕上げも色々です。
革も牛革だけではなく山羊・豚・ワニ・ダチョウなど様々なので種類にすると無限に存在します。
もちろん価格も様々。
革教室ではこういった話しもしながら作業しますので興味があったら是非。
オーダーや製品に関してもお気軽お尋ねください。